橋下さん どうぞ無人島へ

浜林正夫  2012.3.7付

 朝日新聞225日付け夕刊によると、大阪の橋下市長は「日本人全体で9条をどうするか決めなきゃいけない時に来ている」と主張し、そのための国民投票をやるべきだといっています。  

  彼は先に発表した維新の会の「船中八策」で首相公選制や参議院の廃止を掲げ、これを実現するために憲法改正に必要な衆参両院の賛同議員数を3分の2から2分の1に改めるべきだと主張していました。これを見たとき私は9条についてはどう考えているのかなと疑問に思ったのですが、それが今回このような主張となって出てきたのです。 

  憲法改正の国民投票をやれば、当然そのなかに9条の賛否も含まれるわけですから、あらためて言う必要はないでしょうが、わざわざ9条投票をやれといったのには、何か魂胆がありそうです。おそらくそれは首相公選制や参議院廃止に賛成しない人でも9条改正には賛成すると見込んだのではないでしょうか。 

  それはともかく、そのあとに彼の決意(?)が込められているのに私は驚きました。それは、もし国民が9条維持を選んだなら、自分はそういう国にはいられないから「僕はこの国と別のところに住もうと思う」というのです。 私は「どうぞ、それならご自由に無人島へでも引っ越してください」といいたい気持ちです。  

 橋下さんは何歳か知りませんが、あの戦争の悲惨さをご存じないでしょう。9条のうしろにはあの戦争の悲惨さについての痛恨の思いがあるのです。 

 これをいつまでも語り継いていきたい、それが私の一生の願いです。 

 最近石原都知事は憲法改正ではなく、憲法を「破棄する」と言い出しました、東西呼応して暴言が続いています。これを放置しておいてよいのでしょうか。