2020・コロナウィルスと保育園 牧 裕子さん

保育園は緊急事態宣言中も開いていました。4月8日から登園自粛、415日から520日まではコロナウイルス感染拡大防止のために、所沢市内の保育園は「臨時休園」としました。5月20日~5月31日まで登園自粛、休園中も仕事の休めない医療関係者、ライフラインに関する業務の保護者、ひとり親で仕事が休めない保護者については登園ができるようにしました。

テレワークなどの在宅勤務の保護者は子どもを休ませていましたが、子どもが起きている間は仕事ができないので子どもが寝てから深夜仕事をしている保護者もいました。又、職場に子どもを連れて行って仕事をしている方もいました。仕事を休んで家で子どもを見ている家庭でも、長期間になったため、子どもは外に出て活発に遊ぶことができないので家にいるのも飽きてしまい「保育園に行きたい」と言い、母親もストレスがたまり思うようにいかない子育てに悩んでいます。

休園中に登園してくる子どもの人数は、定員の1割から2割程度です。保育園には、いつもの活気あふれる子どもの声は聞こえず静まり返っています。保育園は原則的には、いつどんな時でも開いていなければならないところなのです。病院と同じ性格を持っています。

保育士は1週間に1回は保護者の自宅に電話をして状況を尋ねたり、困っていることを聞いたりしました。子どもたちにはユーチュウーブの動画で遊びを提供したり紙芝居を見せたりしました。

保育園にはマスクが250枚所沢市から寄付がありましたが、消毒用アルコール、ペーパータオルなどは手に入らず大変困まっています。今までに経験したことがない感染症でしたが、子どもと、働く親の砦でもある保育所に対しては行政が責任を持って資材などの調達をしてほしいと思いました。所沢市には2回要望書を提出しました。運営的には国は運営費を支払うと言っていますが、現状が維持できるような補助金の助成があるかどうか不明です。

コロナによってより明確になったのは、最低基準がどれだけ劣悪か、保育室の広さ、子ども一人あたりの㎡は、0・1歳児3.3㎡、2歳児以上1.98㎡ということは、子どもは密にならざるを得ません。保育士の受け持ち人数は0歳児1:3、12歳児6:1、3歳児20145歳児30:1(国基準)は、子どもの生命と安全を守る基準ではありません。埼玉県と所沢市の独自補助はあるものの国の制度は昭和23年3月31日に制定されたものです。

保育は濃厚接触なしには行えません。感染の疑いなどがすこしでもあった時には保育士のPCR検査を速やかに実施することや配置基準や保育室の環境整備などもコロナを期に国の基準を見直ししてほしいと思います。

 

軍事費に使う予算を、今こそ、教育、福祉に使わせるようみんなで力を合わせたいと思います。